賜りもの

□明様から頂いたイラスト
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【海の時間】に行き詰まっていた時に頂いた、素敵な一織イラストです。
明さんの一護は凄くセクシー、姫は可憐で、どれも垂涎ものなのです!!

御礼に短文を添えさせていただきました。
気に入っていただけると良いのですが………。






「……黒崎君?」

そっと、声をかける。
顔をパソコンの方に向けたまま「んー?」と応じる、低い声。

「ちょっとだけ…お背中借りてもいいデスか……?」

躊躇いがちに、尋ねると。
彼はくすり…と小さく肩を揺らしながら「どうぞ」と言ってくれた。
視線は相変わらず、パソコンの画面に向けたままだったけれど。


膝立ちになって、彼のすぐ背後に近づいて。
静かにそぉっと、寄りかかる。

肩に、軽く頬を押し当てて………。
そこから伝わる体温の心地良さに、ゆっくりと瞼を落とした。



大きくて広くて……暖かな、黒崎君の背中。
この背に…これまで幾度、護られてきただろう………?

自分の身が、どんなに傷つこうと。
ぼろぼろになろうと。
決して引かず、前を向いて。
その背に私を庇い続けてくれた。



いつでも。
どんなときでも………。




「ありがとうね………?」

ちいさく、ちいさく……。
息だけを吐くようにして、こっそり呟いたつもりだったのに。
どうやら黒崎君には、聞こえてしまったみたいで。

「こちらこそ……」

私に負けず劣らずの小さな声だったけれど。
彼は確かに、そう言った。

返事されたた事にも、驚いたけれど。
その言葉自体も…ちょっと意外で………。

「え………?」

黒崎君の背から、僅かに頭を起こす。
すると彼は慌てたように「なんでもねぇよ……」と口の中で呟いて。
それから肩越しに、私を振り返った。

「もう、いいのか?」
「えっと………」

数瞬、迷って。

「………も、ちょっとだけ…いい?」

上目遣いに尋ねたら、どうぞ………と。
再び小さく肩を揺らしながら、返事して。
そして黒崎君は前に向き直り、レポートの続きを打ち始めた。

先刻と同じように、そっとその背中に凭れる。

「重くない?」
「全然……って言ったら嘘だけど、作業の邪魔にはなってねぇから、気にすんな」
「うん…ありがと………」

優しいお言葉に甘えて、もう一度静かに目を閉じた。
触れている部分からは、黒崎君の心臓の鼓動が、微かに…だけど伝わってくる。

とくん、とくん………と。
ゆっくりと規則正しく、脈打つ響き。


……それ、は。

この世で一番、優しい音楽………。







あなたが私を、護ってくれたように。
私もずっと…あなたを護っていくからね………?





ねぇ…黒崎君…………。
私は………。

私は、ね………?












アナタヲ
トテモ
……アイシテル……















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