01/18の日記

21:15
苺の日小ネタ
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15日にapricottonの框様が、Twitterにアップされたイラストを元に書いた小ネタです。
描かれたイラストについては、框様のサイトに再掲されております。

框様のサイト

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ただいま…と玄関の戸を開けた瞬間から、織姫の視線は俺の手元に釘付けだった。
「お帰りなさい」と言ってくれるときさえ視線は上がらず、俺が差し出したビニール手提げを受け取るなり、いそいそと台所へと向かっていく。

「お昼に遊子ちゃんからLINEで連絡もらってから、ずっと楽しみにしてたの!」

じゃーじゃーと蛇口から迸る水音に負けず、きらきらと弾け飛ぶ織姫の声。
やがて、彼女は気に入りのガラスの器に苺を盛ってリビングへと姿を表し、俺の前を素通りしてソファへと腰掛けた。

「ほら…一護くんも早く座って! すっごく美味しそうだよぉ!!」

俺を促しながらも、やはり視線は苺に向いたまま。
手だけがパタパタと俺を手招く、その姿を目にした瞬間、俺の中で何かがぶっつり…と切れた。

足音荒く傍に寄り、硝子の器を手に取ると、手を伸ばせるだけ伸ばして、織姫から苺を遠ざける。

「あっ…?!」

小さく悲鳴をあげて腰を浮かせた彼女の肩を、ぐい…と引き寄せ、耳元でぼそり…とつぶやいた。

「……口付けるなら、先ずは俺からだろ?」








(終わっとく)

※お帰りなさいのハグキスをすっ飛ばされて、大人気なく不機嫌になる一護さんを妄想(笑)
カテゴリ: 小話

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