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□いつもの朝の風景
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これはまだ私が死神になる前の話
私が“アイツ”に対して“家族愛”を抱いていると信じて疑っていなかったころのこと
無関心者の絆
〜いつもの朝の風景〜
鮮やかなオレンジの髪。肩辺りまで伸びたそれを揺らしながら颯爽と歩く様は見惚れるものがあった
当の本人は呑気にあくびをしているが
「おっはよー!刹那ちゃん!!」
「おはよう、刹那」
背後からの呼び掛けに振り返って笑みを零す
浅野と小島。入学初日から仲良くなった二人だ
『おはよう、二人共』
「一護は?」
『父さんに捕まってる。時間かかりそうだから置いてきた』
両脇に並んだ二人に肩を竦めて見せる
今時、兄妹で登校も珍しい。だけど刹那と一護はよっぽどのことがない限り一緒にいるほど仲が良かった
「刹那ちゃんと一護って本当似てないよなー、双子なのに」
『そう?まぁ、双子って言っても二卵性の双子だしね』
内面では似てる所も多いけれど
一人で抱え込む所とか、何かあれば笑顔でごまかす所とか。昔っからユーレイに悩まされてる所も
「なぁ、刹那ちゃん!今度オレとデー「何、人の妹口説いてんだよ」ぐはっ」
浅野の背中に入る蹴り。その勢いのまま電柱に激突
刹那はそれに反応することなく、一護、と彼を呼んだ
「ったく、刹那も先行くなよな」
『だって父さんの相手するの面倒だったからさ』
何事もなかったかのように歩みを進める三人
・・・哀れ、浅野
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