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□鏡に迷いし時空
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※10年後(未来編前)





何のために生きているのかと誰かに訊かれたことがあった

その答えを今も見つけられぬまま、今日も彷徨い続ける



無関心者の絆
〜鏡に迷いし時空〜



「神様ってのは無情だと思わない?」


刹那は問いかけるその男を無表情のままで見やった

辺りは凄惨しており、手に持つ刀からは血が滴り落ちる。黒衣を頭から被った様は生命を司る死神を思わせた

隙間から覗く顔は突如として襲って来た奴らを撃退する前と後で変化はない。ただ無のままで斬り捨てていた


「想い合う君達を引き離すなんて酷としか言いようがないね。僕が神様ならそんなこと絶対にさせないのに」


対して男は刹那と真逆に白い。髪も服も全て白を纏っていた

男・・・白蘭は刹那にニコリと笑いかける。全てを知っているとでも言いたげなそんな笑み

事実、白蘭はわかっているんだろう。そうでなければさっきの台詞は出てこない


『・・・何が、言いたいの?』

「僕のところにおいでよ。僕なら君を彼に会わせてあげる」

『・・・』


刹那は言われても瞬き一つしなかった

彼に、“アイツ”に会える

それは口だけの話ではないと白蘭の態度でわかっていた。その気になればきっと白蘭は叶えてくれる

諦めながらも思い続けた願いを






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