世界が終焉となる時に
□世間体って生きてくうえで大事
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太陽に当たるのがどれぐらいぶりなのかは分からない。
でもとても懐かしく……温かい感覚だった。
「夢音さん。すみません、手伝ってもらっちゃって」
「いえ……なんだか気持ちいいですから…」
新八くんが万事屋の家事全般をやるらしい。
掃除も料理もしなければいけないと慌ただしくしている。
私は料理は苦手だから、とりあえず洗濯を手伝うことにした。
風がそよそよと吹いていて気持ちがいい。
空は雲ひとつなく、真っ青に晴れ渡っていた。
「夢音ー。出掛けるぞー」
「?」
洗濯が終わった頃、突然銀時さんに呼ばれ事務所兼リビングに向かう。
片手にヘルメットを持った銀時さんはそれをスポンと私に被せた。
「………??」
「仕事の依頼だ。お前も居候ならしっかり働いてもらうぞ」
「すみません、夢音さん。本来なら僕達が行くべきなんですけど……今日は僕も神楽ちゃんも予定があって…」
ああ……なるほど。
納得してコクリと頷けば、早速向かうらしく原付きの停めてある表へ出る。
「後ろ乗って掴まれ。間違っても落ちるなよ?」
「はい……気をつけます……」
ぎゅっと銀時さんの腰に掴まると、エンジンを掛け街を走り出した。
「お仕事……何するんですか…?」
「んあ?…今日は依頼内容聞きに行くだけ。まだ俺も知らねぇよ」
さすが万事屋さん。
本当にどんな仕事でもこなすんだ。
前に新八くんや神楽ちゃんが、迷子になった飼い猫や犬を探すこともあるって言ってたっけ…?
大きな仕事から小さな仕事までこなすなんて……偉いなぁ。
「まともな仕事だといいんだけどなぁ…また猫探しとかは勘弁だ」
そう呟いた銀時さんはスクーターのスピードを上げ、目的の場所へと急いだ。