短編とリクエスト

□惚薬効果
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「それじゃぁ。私はもう帰るわ」

「え!?波江さんもう帰っちゃうの!?」





俺の言葉に波江さんはすごく嫌そうな顔をする。





「何気持ち悪いこと言ってるのよ。もう終わったから帰るに決まってるでしょ?」

「気持ち悪いは失礼だよ。でもさぁ、この状況を見たらもう少し居てくれる気にならない?」





俺が指差す方向……というか右隣には相変わらず離れてくれない無無の姿。





「お兄ちゃんー!ちゅぅー!!」

「あら、いいじゃない。滅多に無いんだから楽しめば?」

「無理だよ!今の無無は殺人的可愛さだよ!?理性が持たない!キスしたら最後だ!」

「さりげなく惚気るのは止めてちょうだい」





とにかく帰るわ、と波江さんは振り返ることなく出ていってしまった。
くそ……給料下げてやる……。





「お兄ちゃん………私のこと嫌いなんだ」

「は?」





さっきまでハイテンションだった無無が突然シュンとなってしまった。
心なしか垂れたしっぽと耳が見える気がする。





「だからちゅぅしてくれないんだよね?」

「うっ…………」





ヤバい。可愛すぎる!!
上目遣いで今にも泣きそうな表情。
無意識でやっている無無が恐ろしい。




「お兄ちゃんに嫌われたら…私生きていけないよぉ…」





プツンと何かが音を立てて切れた。
それは俗にいう理性という奴で俺は無無の両手首を掴み、ソファに押し倒した。





「……っ…無無が誘ったんだよ…?あとで泣いてもしらないから…」

「泣かないよ……だって……んぅ……//」





噛み付くようなキスに無無は官能的な声を漏らす。





「お兄ちゃ…ん……んぅ……ぁ…//」

「……っはぁ……っ…」





厭らしい水音が辺りを包み、高揚感が理性を破壊していく。
止まらない、止められない。





「…言っておくけどさぁ…っ…こうなったら…最後までヤるから…っ…」

「お兄ちゃ……ん……好…き……//」





あぁもう。
今一瞬でも新羅ありがとうなんて思った自分に腹が立つよ。

でもまぁ……たまにはこういうのも悪くないよねぇ…?




無無にキスをしながら横抱きにし、俺は自分の寝室へと足を運んだ。









end...
 
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