世界が終焉となる時に

□偶然と必然って言葉はなんかかっこいい
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残り一冊しか無かったジャンプを買い、銀時は街を歩いていた。
雨のせいで外に出ている人間は少なく街はとても静かだ。
いつもと違う雰囲気に『こんな雰囲気も悪くない』と微笑みながら見渡す銀時。

そんな彼の目の前に、あるものが映った。






「………人…?」






家と家の間にある路地。
そこには巫女服を着た女が倒れていた。
ぴくりとも動かない女に銀時は急いで駆け寄る。






「冷たっ…………」






女の身体はひどく冷たく、衰弱していた。
息はあるがこのまま放っておけば死んでしまうだろう。






「おいっ!しっかりしろ!聞こえるか!?」






呼びかけにも反応しない女を抱え、銀時は傘を差すのも忘れ、万事屋へと急いだ。














△▼






「銀ちゃーん!どこ行ってたアル……カ」






銀時が大江戸マートに行っている間、神楽と新八が戻ってきていた。
抱えている女を見て目を丸くする神楽に銀時は風呂を沸かすように指示を出す。






「銀さん!どうしたんですか!?その女の子!」

「分かんねぇよ。路地でぶっ倒れてた。よく見たら身体中傷だらけだし……何があったんだ?」






抱えている女を脱衣所に寝かせ、風呂に入れて温めるようにと神楽に頼んだ銀時。
その間新八は救急箱を棚から取り出し、銀時はタオルで濡れた髪を拭いていく。






「大丈夫ですか?ホットいちごミルク飲みます?」

「気が利くじゃねぇか。頼んだ」






救急箱を机の上に置いた新八はそのままキッチンの方へ消えた。
風呂にきちんと入れている音に耳を澄ませながら、とりあえず安堵の溜息をついた。






「あ、僕布団敷いてきます」






ホットいちごミルクを銀時の前に差し出した新八は再び忙しそうに奥の部屋へ布団の準備をしにいく。






「銀ちゃーん!この巫女服ずぶ濡れアル!可哀相アルけど銀ちゃんの寝巻適当に着せるアルネー」

「可哀相は余計だ可哀相は!!」






脱衣所に向かって思い切り叫んだ銀時に神楽は悪びれた様子もなく女を抱えて出てきた。

そして新八の準備した布団に寝かせると、3人は女の顔を覗き込む。






「ごっさ美人ネ。彫刻のようアル」

「わ。ホントだ。すっごく綺麗」

「綺麗なのは分かったから、早く傷の手当てをしてやれ」






銀時の言葉にハッと我に返った新八は、女の傷付いた腕の手当てから始める。






「銀ちゃん。この子何があったアルカ?」






神楽の質問に、銀時は首を傾げることしか出来なかった。




 
 

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