二
□男はプライドの生き物
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「つまり……私は狙われている…」
「そうだ。狙われてるってより、今は監視されているってのが正しいな」
「やっぱり真選組の奴らも上には逆らえないアルカ……」
「うん……でも、護りたいって言ってた」
いつもの万事屋。
夢音に現在起きている状況を隠す事なく告げた。
話を聞いている最中、夢音はひどく落ち着いていた。
ついにその時が来てしまったと……悟ったように。
「すみません皆さん……やはりご迷惑をお掛けしてしまって…」
「何言ってるネ。迷惑なんかじゃないアル。言ったダロ?夢音をひとりになんかしないネ」
神楽にギュっと抱きつかれ、思わず涙目になってしまう夢音。
「僕たちも全力で戦います。だから……迷惑が掛かるからとかで…勝手に目の前から消えたりしないでくださいね…?」
いつものように微笑んだ新八を見つめ頷く夢音は何かを決意したように力強い目で俺を見る。
「……銀時さんが…前に約束してくれましたから……私…絶対逃げないです……みんなと一緒にいたいから……」
その言葉には決意が宿っていた。
お前がそう言うなら、こっちも全力て護ることができる。
「………上出来だ」
わしゃわしゃと頭を撫でると夢音はへにゃりと嬉しそうに笑う。
そして突然真剣な表情に変わり、まるで誓いの言葉のように紡いで言った。
「私……生きていたい。……また暗い所になんか…行きたくない………記憶が消えてしまうなんて……嫌です。…………だから………傍にいさせてください……」
こいつは時々儚げで、散ってしまいそうな桜を連想させる。
ひらひらと…ひらひらと。
時の進みを痛いほど感じさせる桜。
だから不思議とずっと見ていたくなる。
その儚さまでもが…愛おしくなる。
「傍にいろ…………離れるんじゃねぇ」
「な、なんか……」
「告白みたいアルナ……」
堅く誓ったその約束。
例え誰が相手だろうが関係ない。
俺は俺のしたいようにする。
護りたいものを護る。
こいつを護る為なら……
俺は命さえ惜しくないから。
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