折原家の愛しい妹

□少女出発
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新宿某マンション。
性格最悪、自称イケメン、人間観察が趣味な情報屋、折原臨也が住んでいる。





「いってきます」

「いってらっしゃい。門限は7時だからね」





それともうひとり。
臨也と共に住む女の子がいた。





「もしもし帝人?うん。今向かってるの。…分かった。池袋駅で待ち合わせね」





彼女の名前は折原名無。
折原臨也の妹で、今年来良学園に入学するのを機に兄の家に住むことになった。

性格は兄から毒素を取ったような感じだ。
まぁ時々兄の面影がちらつくが、度を越えた兄と比べれば普通の子だ。





「おはよう、帝人。正臣と杏里もおはよう」





ふわっと笑う名無に帝人、正臣は頬を染めた。
臨也の妹というだけあってやはり容姿は上の上。
整った顔立ちに臨也と同じ黒髪に赤い瞳。
おまけに性格もいいとなれば、頬を染めない男などいないだろう。





「名無ちゃんおはよう」

「おはよう……杏里…今日も可愛い…」





この三人は名無が折原臨也の妹というのは了承済みだ。
毒素が感じられない彼女が臨也の妹というのは信じ難い話だったが、『俺の妹に手を出したら…殺すからね?』という背筋の凍るような言葉で三人共信じた。





「今日も愛らしいなー!名無は!放課後は俺と池袋デートをしようじゃないか!」

「みんなでしようね」

「今は名無だけを誘ったつもりだったのに!!華麗にスルーか!」





四人は今日も仲良く学校へ向かう。
常識、非常識が溢れるこの池袋で、様々な思いを抱えながら。




 
 

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