□愉快行動
1ページ/1ページ

 







「……分かった。待ってるよ」





携帯を切った兄の横で名無は飼い犬と戯れていた。





「正臣から?」





名無は全て分かっているかのように、目線を合わすことなく臨也に問う。





「そうだよ。思ったより早かったねぇ」





クルッと椅子を回し立ち上がると、名無を後ろから抱きしめる。





「もうすぐ来るみたいだよ?隠れる?」

「大丈夫だよ。きっと正臣は『ちょっとだけ席を外してくれないかー?』っていつもの調子で言うと思うから」





それに……これは運命なんでしょ?
そう零した名無に臨也はチェスの駒を動かしながら言う。





「そう、これは運命なんだ。紀田正臣、園原杏里、竜ヶ峰帝人……それに君もね。折原名無」

「うん……」





きっと兄は分かっているのだ。
私がこの戦いに関わろうとしていることに。
だってほら………





「気をつけるんだよ」





こんなにも……
愉快で悲しそうな顔をしてるんだから。




 
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ