短編とリクエスト
□惚薬効果
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「お兄ちゃん♪」
「何?」
「好きっ//ねぇーえ……ちゅぅしよ?」
「……………え?なに、どうしたのさ」
夕方5時。
学校から帰ってきたと思ったらソファに座る俺に突然抱き着いてきた無無。
俺としては大歓迎だけど……様子がおかしい。
「ねぇってばぁ……」
「無無。帰ってくる前にどこか寄ったとか、何か食べたとかある?」
「ふ…ぇ?…んー……新羅さんの家でジュース飲んだぁ…//」
「……………そっか。じゃぁちゅぅは後にしよう。先に片付けなきゃいけないゴミを回収しようか?」
新羅………ぶっ殺す。
♀♂
「落ち着いてよ臨也!」
「落ち着け?俺は今すごく冷静だよ。どこを刺せばお前を仕留められるかって」
「悪かったってばぁあぁっ」
新羅の家に乗り込んだ俺は、早々に状況の説明をするよう脅s………いや、促した。
なんでも知人から頼まれた強力な女用の惚薬らしく、ちゃんと聞くかを無無で試したらしい。
「実験台にしたわけだ……?」
「ご、ごめん!!でもセルティは飲めないし…知人の女の子は無無ちゃんぐらいで…」
「へぇ?で?死ぬならどこを刺されて死にたい?」
「すみません、すみません、すみません!!!」
思い切り土下座をする新羅。
刺し殺してしまいたいところだが……
「お兄ちゃん……好きぃ……//」
「……………」
無無が俺の背中からまったくもって離れてくれない。
嬉しい。確かに死ぬほど嬉しいが、俺にだって理性というものがある。
それは崩壊しかねないわけで、堪えるのに必死だ。
「どれぐらいで治る?」
「一滴しか入れてないから明日には元に戻ってるはずだよ」
明日か………。
それまでこれが続くの?
抱き着いている無無は頬を擦り寄らせ、酒で酔っ払ってるみたいにニコニコしている。
「持つのかなぁ……俺の理性……」
今は祈るしかない。
俺と無無はとりあえず家に帰ることにした。