短編とリクエスト

□奇想天外
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―文化祭編―









それはまだ無無が来良学園に通っている時だった。





「おい無無ー。そっちにあるガムテープ取ってくれー」

「あーい♪あ、帝人。ハサミちょうだいっ」

「うん。あぁ園原さん!それは僕がやるよ」

「大丈夫です。あ…紀田くん、少しズレていますよ」





待ちに待った文化祭がもう3日後に迫っていた。
無無と正臣のクラスはメイド喫茶。
帝人と杏里のクラスはお化け屋敷。

メイド喫茶の準備がほとんど終わっている無無と正臣は準備に追われる帝人と杏里を手伝いに来たのだ。





「にしても、無無のメイド姿は超が1万個付くぐらい可愛いぞ。いや…むしろ1万個じゃ足りない」





正臣は段ボールと段ボールをくっつけながら無無のメイド姿を熱論する。

ニーハイがどうとか絶対領域がどうとか…。
もう完全に周りが見えていない。





「絶対領域ってなんですか?」

「杏里知らないの?…なんならやってみちゃおっか♪」





黒いカーテンを手縫いしていた無無は自らのメイド服セットからニーハイソックスを取り出す。

そして杏里の履いている靴下を脱がせ、それを手渡した。





「これを伸ばせるとこまで伸ばしてみてね」

「は、はい……」





制服に靴下無しの恰好に男二人はごくりと生唾を飲む。
厭らしいコト考えるなー!と無無に一掃され、我に返った。





「こんな感じでしょうか…?」

「うわぁっ//杏里可愛い!エロカワイイっ!」

「「ぶはっ!!」」





男二人は杏里の姿を見て溢れる鼻血を止める術を探している。
首を傾げる杏里に無無は丁寧に説明を始めた。





「絶対領域っていうのはね、ニーハイとスカートの間の素肌のこと♪ここを世に言う絶対領域と言って男の子には堪らなくウケるのですよ」





にひひと笑う無無はどことなく妹のマイルに似ていた。
ふざけながら厭らしい話をする時にはいつもマイルと同じように笑うのだ。





「例えばここに………手を入れちゃうとか!」

「きゃっ!無無さんっ//」

「おいおい…美女二人のガールズラブかい?これは実に官能的………って帝人ぉ?俺の話聞いて……………帝人ぉぉお!?」





刺激が強すぎたのかバタリと気絶してしまった帝人の肩を揺する正臣。

文化祭の準備、良くも悪くも大いに盛り上がっております。




 
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