短編とリクエスト

□池袋散策
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「は?デートがしたい?」

「うん!『ちゃんとした』デート」






突然の妹の提案に臨也は頭を悩ませていた。
『ちゃんとした』をやけに強調する妹、無無はニコニコと笑っている。






「今までだって結構ちゃんとしたデートだったと思うんだけど…」






映画を見に行ったり水族館に行ったり……そんなことなら飽きるほどしている。

でも無無は首を横に振る。
臨也はますます怪訝な表情を浮かべた。






「だって私とお兄ちゃんって同棲してるでしょ?だから行きも帰りも全部一緒!!」

「まぁ一応兄妹だからね。当たり前なんじゃないかn………」

「それじゃダメなの!!!」






いきなり大きな声を出した無無に臨也はビクッと肩を揺らす。無無の表情は真剣そのもので臨也は思わず笑ってしまった。






「分かった、分かった。つまりちゃんと待ち合わせとかをしたデートがしたいってことだね?…いいよ。俺はいつだって大歓迎だからさ」

「じゃあ今週の日曜日。暇?」

「ああ、大丈夫だよ。どこに行きたいかは決めておいてね」






臨也の言葉に無無は嬉しそうに頷いた。
妹のこんな表情を見られるならわがままを聞くぐらいなんとも思わない。

臨也は無無の言うまま、ちゃんとしたデートとやらを満喫することにした。





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