短編小説
□短々編集
2ページ/47ページ
愛的表現法
日本人で長い黒髪。
人形みたいに整った顔。
無愛想で照れ屋。
そんなとこが可愛くって、でもやっぱかっこよくって、
神田ユウ君は私の自慢の彼氏です!
今日も教団という名の私たちの愛の巣にてその姿を発見しました♪
「私の愛しのダーリン」
かけよって熱い抱擁、のはずが軽くスルー。
べしっと言う鈍い音と共に私は冷たい床にぶつかる。
が、めげずに先に進むマイダーリンに追いつき一言。
「冷たい。ユウは冷たいよぉ。ここは絶対”マイスウィートハニー”って両手広げて受け入れるもんでしょ?」
「馬鹿か、お前」
「ひっどーいっ!!なんで?私たち”恋人同士”でしょ」
「恋人同士はみんなそういうことすると思ってんのか?っていうか恋人同士を強調して言うんじゃねぇ」
「だって本当のことだもん。それよりさぁ、この会話今日で何回目だと思う?104回目だよ?今日こそはやってくれるって思ったのにぃ」
「絶対やらねぇって言ってるだろ」
「いやだ。絶対してほしいの。それともユウは私のこと嫌いなの?」
今にも泣き出しそうな声色。俺はこいつの涙に弱い。
「嫌いなんかじゃなくて・・・普通出来ないだろ///」
頬を染めてこっちを見ずに呟くユウが可愛い。
なんて思ってたからユウの口元が上がったのを見落とした。
「だからこれで・・・」
人前にもかかわらず唇に落とされる口付け。
触れるだけかと思えば舌が侵入してくる。
離れると今度はしっかりと私を見て言う。
「いいだろ?」
あの・・・神田さん?言葉よりこっちのほうが大分恥ずかしいですよ・・・?
いや、そんなとこも愛しいんだけど。
私の染まった頬どうしてくれるんですか・・・。
やっぱり馬鹿はお互い様だよ、ユウ。
だから私たちはお似合いなの。
ずっとずっとず〜っと一緒にいようね、ダ〜リン。