短編小説

□短々編集
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狂愛乙女



好き、好き、好き。
愛してる。



呪文のように繰り返す言葉で、

あなたに魔法をかけたいの。



一生、あたしだけを見つめていてくれる魔法を。







あたしを見て

名前を呼んで

あなたのその愛しい

瞳で唇で



どうか止まないで

あたしを呼ぶ声


どうか閉じないで

あたしを見る瞳





わがままかもしれないけど、

それだけだから、叶えて?



‘一生のお願い’

だから。







「ティ〜キっ」


擦り寄って、甘えて、

甘やかしてもらいたくて。


どこよりも落ち着くあなたの隣で。


ねぇ、もっと。

もっと、あたしを愛して。


祈る、願う。

神に、星に。


あたしがあたしであり続けられますように。

あなたがあなたであり続けてくれますように。


お互いがお互いに一番であり続けますように。



不安が消えないのは、愛してるから。


しつこいほどに祈ることをやめることも出来ずに。


あなたじゃなきゃ意味がない。

あなたがいないならあたしは存在する必要なんてない。


どうかあなたもそうですように。



狂うほどに愛すことが罪ではありませんように。


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