短編小説

□短々編集
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クリスマス/普通編



丁度キミが仕事から帰ってくるのは聖夜。


キリストは俺らの神じゃねぇけど、


冬の寒い日々の中でも、少しだけあたたかく感じられる祝いの日を


俺らが楽しんでいけない理由なんてない。


さぁキミを喜ばせる為の準備を…。




ヒイラギのリースとキャンディーケーン飾り立てたツリー。


子供のようにはしゃぐ顔が目に浮かぶ。


思わず緩む口元をロードにからかわれたりして。




「ただいまぁ」


「お前、どしたの、その格好」


お待ちかね、彼女のご登場。


ケープ付きの赤いドレスに身を包んだ愛しい彼女。


「クリスマスだし、欲しくなっちゃって」


変かな、と照れたように笑う。


「いや、よく似合ってる。


…折角ですから姫、お食事でも?」


「ええ、よろこんでっ」




輝く街は幻想。


年中だって悪くはない。


今年もホワイトクリスマスは無理そうだけど


美しく着飾ったキミが横にいるなら何もいらない。


彼女がせがめば雪くらい先年公が降らせるだろうし。




気取った店、キャンドルに炎を灯して


グラスにシャンパンを注いで。


「ロマンティックだね」


嬉しそうに目を輝かせる彼女。


さぁ、でもとっておきはこれから。




「   」


名前を紡いで頬にキスを落とす。


「メリークリスマス」


そう言って手渡したのはクリスマスプレゼント。


彼女が欲しがっていたシルバーアクセサリー。


「これ…」


驚くような彼女に微笑みかける。


固まっている彼女の手から一度戻して光る首飾りを付けてやると思ったとおり。


白い肌に似合いすぎるほどよく似合う。


「ティキっ、ありがとうっ」


抱きついてきた彼女。


この際、周りの目は一切気にしないことにして。




願わくば、今日がキミにとって良い想い出となりますように…。


そして来年のこの日も、キミの隣に居るのは俺でありますように…。



END...

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