特別企画作品
□惚れた弱み
1ページ/1ページ
まただ……
お前が他の奴と楽しそうにしてんの見ると、無性にムシャクシャしてくる。
『あ!原田さんっ!』
見ていた俺に気付いたお前が、バタバタと足音を立てながら走って俺の所へやって来た。
『お前、一応女なんだからよ…そんなバタバタ走んな。』
何言ってんだ?俺…
ほらみろ。
泣きそうな顔になっちまったじゃねぇか。
『す、すみません……気を付けます。』
しゅんとしたお前の頭に手を伸ばしかけた時、こいつを追って新八と平助が駆けつけた。
『えっ?!ど、どーしたんだよっ?』
『おい、左之。お前…何かしたのか?』
心配そうにこいつの顔を覗き込む平助に『何でもないよ。』と笑顔を向けるお前…
『おい!左之!聞いてんのかっ?この娘に何かしたのかよっ!』
俺の頭の横でギャンギャン煩い新八を無視して、俺は平助の前で俯いているお前の手首をきつく掴んで歩き出した。
『え?ちょっ、左之さんっ!?』
『おい!待てっ、左之っ!話は終わってね〜ぞ!』
俺は振り向かずに、こいつの手首を掴んでいない方の腕を振り上げ、後ろで騒いでいる二人に手だけ振って見せた。
そのままズカズカと歩いて俺の部屋まで連れてきたお前を、障子を締めた途端に抱き締める。
『悪ぃ。あんな事言っちまって……お前が女だって事…俺が誰よりも分かってんのにな…』
抱き締める腕に力を入れれば、お前の腕が俺の腰を抱き締めてきた。
『いえ…私が女らしくしてないから。原田さんに注意してもらえて良かったです。男の格好をしてても、女らしさを忘れないようにしなきゃ……ですよね?』
そう言って俺を上目遣いで見上げて微笑んだお前は……
『参ったな…』
すげえ女っぽくて本当に参っちまう。
正直俺は何人もの女を見てきた。
でも、昔の女なんて思い出しもしねえくらい…お前に俺は惚れちまったみてえだな。
『お前は俺にとって…』
そう言いかけた俺の襟元をグッと引き寄せたお前が、俺の唇に自分の唇を重ねてきた。
少し開いた唇の隙間をみつけたお前の舌先が、俺の舌に絡まり付いてくちゅくちゅと音を立てている。
背伸びをしながら立っているのか…俺の襟元を掴んでいる手と支えている足、そして頭がフルフルと震えてきた。
クッ…
笑っちゃいけねぇ…
笑っちゃいけねぇ…
やべぇ…
可愛すぎて笑える。
反則だろ。
我慢できなくなった俺は、こいつの膝の裏に俺の腕を入れて抱き上げた。
『無理すんな。もっと楽な格好でしようぜ。』
そのまま部屋の奥まで運んでお前をそっと降ろせば、俺の襟元をゆっくりと左右に開き胸元へピタッと頬を付けてきた。
『原田さん…。私は…原田さんにとって…ちゃんと女でしょうか?』
そんな事を聞いてくるお前を頭ごと俺は抱き締める。
『当たり前だろ。じゃなきゃ、こんな事しねぇよ…』
自分の着ている物を早々に脱ぎ捨て、お前の身体を隠している厄介な物を剥ぎ取り、俺は自分の身体をゆっくりと後ろに倒し、お前をそのまま上に乗せる。
天井に向かって大きく立ち上がった俺のを見て、顔を赤らめて目を潤ませたお前……もう、濡れてんだよな?
こいつの其処へと指を一本挿し込めば、ぐちゅりと音を立てて俺の指を飲み込んだ。
『んっ……』
ほらな。
もうこんなに濡れてんじゃねえか。
これじゃあ、一発どころじゃ満足できねえよな?
『原田、さ…ん…もぉ、お願…い……』
だから反則だろ!
そんな顔で。
そんな声で。
俺だってもう我慢できねえ。
『ほら、来いよ…』
そう言ってこいつの腰を少し持ち上げてやれば、俺の腕をぐっと掴みながらゆっくり自分の腰を降ろしていく時のお前の顔…反則なんだよ!
ぎゅっと瞑った瞼が腰が降りていく度に少しずつ緩んでいって、腰が下まで沈みかけたその時、俺は自分の腰に力を込めてぐっと上に突く。
『やぁあッッ……ん……』
そして再びきつく瞑られた瞼。
喘いだお前のその顔とその声が俺を更に煽る。
お前のその武器は強烈すぎて、これから先も俺はヤられっぱなしなんだろうな。
惚れた弱みだ…
しょうがねえ…か。
.