僕と君との過負荷な日々。
□第-4箱『やらなくていいよ』
2ページ/11ページ
人吉くん、まだ登校してないんだよ……?
と、いうことは、うん、きっと人吉くんを待ってるんだよ!絶対そう、それしかありえない!だからだからだから……
「藤野同級生!遅かったではないか。私は待ちくたびれてしまったぞ!」
しっかりと目を開き、千衣を見据えて言い放つめだか。
千衣の淡い期待は、一瞬にして砕け散った。
と、同時に、クラス中がこちらを見ながら、こそこそ話しているのも感じた。
そりゃそうだよね、三日連続で化け物生徒会のツートップが尋ねてくるんだもん。人吉くんじゃあるまいし、そりゃ気になるよね。
私も何の用事で会長さん来たのか知らないけどね、多分球磨川さん関係だと思うけど。
――ああああ!
私のレッテルも、変人に変わっていっちゃうよ、こらあかん!
できたらここから今すぐいなくなって!
そんな千衣の心の叫びをよそに、めだかは言葉を続ける。
「今日はなんと、藤野同級生にお願いがあってきたのだ!
なんだか聞きたいであろう、そうだろう?」
「……いえ、別に。どうせろくでもな「わが生徒会は今、人員不足に困っておってな、お手伝いさんが欲しいのだ。
そこで!藤野同級生にぜひその役をやって欲しいと、こうしてお願いしに来たのだ」
「いやだから私は「おおそうか!やってくれるのか藤野同級生、いや、藤野お手伝いさん!」
「え、ちょっとお手伝いさんって「顔合わせは本日の放課後だ。生徒会室まで来て欲しい!」
「私は引き受けるなんて言ってませ「それじゃ、よろしく頼んだぞ、藤野お手伝いさん!
……いや、お手伝いの方が語呂としては、いいか……?」
そんなことをブツブツ呟きながら、めだかは千衣の教室を出て行った。
「なんだったの……あれ」
最後まで、めだかと千衣の会話は噛み合わなかった。