黒バス


□フルーツポンチ
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伊月はオレの台詞を聞いて、また涙を流した。

そして、ゆっくりと話始めた。


「俺、さ…おかしいんだよ…」


何がだ?
実はオレも最近変なんだよ。



「俺、なんか…さ、胸?が、チクチクするって、言うか…痛くて…」



オレもだよ。
最近痛いんだよ。



「それが、さ?普段は、平気なんだ、よ…」



そうなのか?
確かにオレもそうかもな。



「痛くなる、時、には…さ……必ず、ね…?」



必ず?なんだ?



「日…、向の、こと……思ってたん、だ、よ…」



奇遇だな。
オレも痛い時は伊月を思ってたよ。



「それで、さ。俺…意味解んなくて、コガと水戸部にさ…相談した、んだよ…」



そうなのか。
…で、何が分かったのか?



「コガ達が言うにはさ…それは、……さ………」



なんだよ。
焦らすなよ。



「…恋、だって」



…はい?



「その人のこと、思っ、て…胸が痛く…、なるのは……恋、なんだって、さ…」



え、?
じゃあ、オレも?



「引いたよね…。ゴメン……」


伊月が泣きそうになった。
オレは頭が混乱している。

オレも伊月と同じ症状出てるんだけど。


伊月を思って、さ。


ってことはオレも伊月に恋してんだよな…?

で、伊月もオレに恋?


頭の中がぐちゃぐちゃになっていると、伊月が再び話し出した。



「俺さ、日、…向が……好き、見た、い……らしい、ん…だけ、ど…さ……」



…マジ?
あ、ヤバい。嬉しいっぽい。



「気持ち悪いよな…、男なの、に…っ!」



ゴメン、と再び黙ってしまった。

なんで謝るんだよ?
気持ち悪くなんてねぇよ。
お前が気持ち悪いんなら、オレだって気持ち悪いだろ。


今分かった。

オレも伊月が好き、見たいだ。

…ヤバい。自覚したら恥ずかしい。



「ゴメン、」



オレが何も言わずに居たら、伊月が立ち上がって逃げようとしていた。



「待てよ!」



すかさず伊月の腕を掴んで引き止める。


ヤバい、腕が勝手に動いてた。

ほら、伊月も驚いてんじゃねーか。
あぁ、ダメだ。
口まで勝手にに動き出した。



「逃げんなよ!オレの話しも聞けよっ!!」



「日向の話し…?」



ほら、伊月もビビってんじゃねぇか。

でも、もう押さえられねぇ。



「オレもお前が好きなんだよっ!!」



「え…?」



あーあ、言っちまった。

自覚してから告白までのスピード早すぎだろ。



「さっき、伊月言ってたろ?胸が痛むって」



「言ってたけど…」



それが?って見つめてくる。

可愛い。
男に可愛いは褒め言葉じゃ無いなんて知ってる。

でも可愛い。
自覚したとたんこれかよ…と、ため息を尽きそうだ。



「オレも同じだった。伊月のことを考えると胸が痛くなっていた」



「え…?」



「そんでさっきの伊月の話しを聞いて自覚した」



伊月が好きだって。


と、二回目の好きを伝えた。
伊月を見れば驚いている。



「嘘…」



「嘘じゃねぇよ」



信じろよ。

嘘でこんなこと言える訳がねぇだろ?



伊月の腕を離し、伊月を包み混むように抱きしめた。



「日向、」



名前を呼ばれれば嬉しくなる。
恋愛は惚れた方の負けって言うけど、本当だなと思う。
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