捧げ物

□友達みたいだけど
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「いーづきっ!」


コガが俺に飛び付いてきた。

ここで大切なのは、¨抱き付く¨じゃなきて¨飛び付く¨。



文字通りにじゃんぷして飛び付いて
きた。




「ちょ、コガ」




ぐぇ と小さく悲鳴をあげればあわてて「だいじょうぶ!?」とコガが言う。

ぶつかって来たのは自分なのにね。




大丈夫って返しても何度も謝ってくる。なんか、コガって感じがして面白い。




「あっ、そーいえばさ!」



俺が大丈夫だよって言って、コガが
ごめんを繰り返す。

そんなやり取りを数回繰り返した後、コガが思い付いたように言ってきた。


しょぼんって表情が、ぱっと明るくなった。

表情の変わり早いな。
そんなところが好きなんだけどね。




「どうしたの?」

「あのさ、もうすぐ…覚えてるー?」








…あ
わかった。

コガが言いたいこと。

あー、どうしよう。
凄い可愛いんだけど。

俺だめかも。ほんとコガにベタぼれだなって自分で思う。




こんなにハマったのダジャレとバスケ以来なんだけど。どうしてくれんのほんと。


しばらく答えないでいると、コガがうずうずしてきた。

早く答えてほしいのだろう。



もうちょっと焦らしたいかもだけど、あんまり待たせても可愛そうだから、答えてあげることにした。









「今日で一年だよな」





俺が答えると、コガの顔がぱあっと明るくなった。

顔に出やすすぎ。


分かりやすくて助かるけどね。




「覚えてたんだっ!やば、嬉しーんだけど!」


「はしゃぎすぎたよコガ、」



忘れるわけないじゃんか。
こんな大切なこと。






はしゃぐコガを抱きしめて耳元で呟いた。

ちょ、え、伊月!?


と騒ぐコガをさらに強く、ぎゅ って効果音がなるぐらい抱きしめる。

あ、潰れたらどうしよ。ぷちって。






「コガ、大好き…」






ずっと一緒に居て。




小さく、小さく呟いてコガから離れた。

離れたら、当たり前だけどコガは目の前にいて。顔は真っ赤になってた。




「…俺もだいすきっ」


真っ赤な顔を隠すように下を向いて、コガが言った。




ああ、もう、なんで、、













(こんなに可愛いんだよ…)

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