黒バス2
□わたあめ
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ヤベェ。
数学意味わかんねー!
マジなんだよコレ。
暗号か何かか?
少なくとも俺はこんな暗号知らねーよ!
知りたくもねーし!
「日向、うるさい」
「え、」
「全部声にでてるよ」
マジでか…。
「数学とか簡単じゃん」
「それはオマエにとってだ。俺にとっては簡単の か の字もねぇからな」
ホント数学とかぜってー無理!
こんなの解ける伊月がすげーんだよ!
「いーから」
黙って解きなよ。
って伊月が言う。
…解けたら苦労はしねーわ。
解けねーから苦労してんだよ!
伊月はそれだけ言うと、黙々と問題集を進めてく。
さらさらと迷いなく動くペンが羨ましい。
俺はと言うと、伊月にも数学のカミサマにも見捨てられたのですることがない。
歴史なら得意だが、得意科目を今さらやっても点数アップは期待できねーし。
ちなみに今はテスト期間中だ。
そのため、部活はない。
あー…なんでテストとかあんだよ。マジで。
テストよりバスケしてー。
マジこんな何日も部活ないと、体鈍る。
スリーポイント入らなくなったらどうしやがる。
俺の愛する武将達の命が消えちまったら、どう責任とってくれんだよ。
あー!
ダメだ!
マジでやる気でねぇ!
「日向ー」
俺がうなだれていると、伊月がいきなり呼んできた。
俺は無言で伊月を見た。
そして次に伊月が発した台詞で俺のやる気は急上昇した。
マジで。
さっきまでのうなだれとか、ありえねーぐらいに。
問題集を開き、ペンを走らせる。
こんなにやる気になったのは、受験のとき以来かも知れねぇ。
『一問正解したら、一回キスしてあげるよ』
その伊月の魔法の言葉で、俺は伊月が引くぐらいやる気になった。
(一問正解したぜ!)
(ちょ、ホントしなきゃダメ?)
(当たり前だろ?)