黒バス
□ショートケーキ
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『ごめ、…今日休むって言っといて…』
朝一番に伊月から電話がきた。
その声はいつもより弱々しくて、時々咳こんでいた。
『風邪か?』
『ん…』
風邪らしい。
喋るのも辛いのか、小さな声で肯定していた。
『カントクには言っとくから、ゆっくり休めよ』
『ありがと…。ひゅーが、今日優しすぎて気持ちわるい…』
『うっせ!いいから休んどけ!』
そう言って電話を切った。
今日の伊月は熱があるのか、口が回ってなくてなんか幼かった気がする。
可愛かったな…、いやいや欲情してる場合じゃねぇ!
俺はカントクに伊月が休みなのを伝えると、即効伊月ん家に向かった。
カントクの声など無視して――
裏からカントクの「練習5倍ね」と、優しい声が聞こえた。
「はぁっはぁっ…!」
あ゛ー!着いたー!
全力でチャリをこいだせいか、軽く汗をかいてしまった。
だっせ…
俺は軽く汗を拭うとインターホンを押した。
インターホンがなり、少し立つとガチャっと音がなり、ドアが開いた。
「誰ですかー…?」
「よう」
でたのは伊月本人。
ってことは家に今親はいないってことか。
「げっ…日向!?…学校は?」
「サボり。ってかオマエ、げっ…てなんだよ!?」
「…驚いたからじゃない?」
「目を逸らすなよ!」
酷くねーか!?
心配してきてやったのに…。
「てゆか、どーしたの?」
「んぁっ?」
ヤベー…。
ぼけーとしてたら変な声でた。
「だから、なんで、学校サボってまで、俺ん家きた、の?」
喉が痛いのか、途切れ途切れだった。
それに頬もうっすら赤い。
っつーか…なんでって…。
心配だからとか恥ずかしくて言えるわけねーっ!!
「さぁな」
「わっ!ちょっとまって!」
俺は伊月ん家の中に押し入った。
照れ隠しとかじゃねぇぞ!
伊月が止める声が聞こえるが、無視して、伊月の部屋まで押し入れた。
「日向…、何勝手に、入ってんだよ…っ」
睨まれても気にしねぇ。
「ほら、伊月寝てろよ」
「日向、エロい」
「そー言う意味じゃねぇよ!」
いっそ襲ってやろうか!?
っつーか…よく見たらこいつエロい。
パジャマだし、ボタン二個止めてねーし、目潤んでるし、頬赤いし。
…考えちゃダメだ!
俺の理性もってくれ!
「いーから寝とけ!」
伊月をベッドに押し倒して、布団をかける。
おでこを触り、熱を測る…ってオイ…!
「熱っ!オマエ熱ありすぎ!」
「そう?38度5しかなかったけど…」
「それは「しかなかった」じゃねえよ!」
コイツ、馬鹿だろ!
頭いいくせして、こう言うとこは天然か!
「とにかく寝てろ!」
「はいはい」
渋々と布団にくるまる伊月。
それが可愛くて、ちょっとからかいたくなった。
「そーいや伊月、こんな話し知ってるか?」
「なに?」
「風邪はキスすると直るっての」
「なっ…!んっ…!?」
言葉と同時に、伊月の唇に噛み付いた。
「ふぁっ…ん!」
伊月が胸を叩くが気にしない。
口を割って、舌を入れる。
ぴちゃぴちゃと水音と伊月の声が重なって、エロい。
「んっ…!んー…っ!」
さすがに苦しくなってきたのか、強く叩いてきた。
しゃあねぇ…。
名残惜しいが最後に強く舌を吸い上げてから口をはなす。
「ふぁっ…!なに、盛ってんだよ…!」
息も途切れ途切れに睨んでくる。
そんな顔で言われても、逆効果だっつーの。
「風邪治してやろうかと思ってよ」
「逆に熱上がった…!」
「そうか?んじゃ、もう一度やってやるよ」
「いいっ…!」
そんなこと言われてもな。
ヤベェ、理性崩れてきた。
今日は一日運動させて、熱を下げてやろう。
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