黒バス


□マドレーヌ
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「日向、…ずっと、好き、だった…!」


途切れ途切れに。

小さな声で伝えた思い。


放課後の教室に呼び出して、伝える。

それだけのことが、ずっとできなかった。


でも、今伝えられたから。


フラれたって大丈夫。

笑って「冗談」って言える。



俺は男だし、日向も男。

普通じゃないことぐらいわかってる。

友達のままでもそばに入れるのも知ってるし、告白してフラれたら気まずくなるのも理解してる。


けど…

どうしても、伝えたかったから。



「…一緒に帰らねえ?」


「…うん……!」



一緒に帰る?

それが、日向の返事なの?
…よくわかんないんだけど。


とりあえず俺らは、一緒に帰ることになった。




























「伊月、さっきのホントか?」

冗談って思われてるのかな。

結構ショックなんだけど…。



「冗談で言えるわけないじゃんっ…!」


「だよな」



わかってるなら言うなよっ…!

そのまま、二人とも全然話せないまま俺の家が近づいてきた。
ってか…、返事結局わかんないんだけど…。



どうしよう…

自分から聞いちゃう…?


早くしないと家着いちゃうし…


どうしよう…




「ね…、日向?…あの、さ」


「んあ?」


「その、さっき…の、返事って…さ?どうなっ、たの…?」



ヤバい…!
心臓ばくばく言ってる…!

不安になってきた…。

そりゃ、フラれたっていいとは思ったけどさ…。

やっぱ、フラれるのはキツイよ…



「ああ、いいぜ」



へ?

そんな簡単に?


嬉しい…んだけど…。
なんか、拍子抜けた…。



「それじゃ伊月、また明日な」

「う、うん」



…やっぱ、日向優しいよ……。
なにげに送ってくれてるしさ…

うん…!



ってか、よく考えたら俺、日向と付き合ったんだよ、ね…?


うわあー!?

すごい恥ずかしい…!






―俺はこの時、ただはしゃいでたんだ。一人で―
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