黒バス
□こんぺいとう
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今日は7月7日ラッキー7の日。
…それだけじゃないけどね。
「ねー、日向ー」
「んぁ?なんだ?」
「今日何の日か知ってる?」
「今日?あー…七夕だろ」
「せいかーい」
そう、今日は七夕。
ってそんなのは多分大抵の人が知ってると思うけど。
今日俺は張り切ってる。
なんでかって?
日向の短冊が見たいからだ!
…去年の日向は酷かった。
俺の短冊を見て(勝手に)可愛いとか言って笑いやがった(俺の願いは¨日向達とずっとバスケ出来ますように¨だった)
別にただバスケずっとしてたいって願いじゃん!
…まぁ、日向とも。さ…。
じゃなくて!
去年結局日向のは見れなかった(そもそも書いたのかも知らない)
だから今年は、
日向のを見たいんだっ!
「七夕と言ったら?」
「願い事、か?」
よしよし。
俺の誘導尋問にかかってくれた。
「てゆーことで、はいコレ」
「なんだコレ…短冊?」
「願い事書いていーよ」
「おう、サンキュー」
日向がさらさらと書きはじめた。
やった…!
計画の半分成功。
「終わったぞ。笹とかねぇかな」
よし…っ。
「俺ん家母さんが笹飾ったからさ、ついでに飾ってあげるよ」
「お、悪ぃな」
そうやって日向は俺に短冊を渡す。
願い事を見られないためか、裏側を表にして。
どーせ渡したら見られるのに。
でも俺はすぐに見ない。
だって見たら取られるだろーし。
いつ返せって言われるかもわからない。
だから俺は今すぐ帰って家で日向の短冊を見てやる!
そして明日笑うんだ!
「それじゃ、俺帰るから!」
「ん?あぁ、またな」
またな?
普通バイバイとかじゃない?
まぁ日向はよく、またなって言うし。
気にしないでいーや。
そうして俺は急いで家に帰った。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ただいまー。…はっ!居間に今いますか!きたコレ!」
「お帰りー。…あ、蛙がひっくり返る!きちゃったコレ!」
「流石母さんだね」
「あらあら、俊も冴えてたわよ」
「ありがと、じゃ俺部屋行くから」
母さんのダジャレも聞けたし、俺にもダジャレの神様がおりて来たしで満足して部屋に向かった。
部屋について日向の短冊を取り出す。
…日向、なんて書いたんだろ。
メガネがほしいとか?
コンタクトにしたいとか?
普通にバスケしてたいとか、
全国出場とか?
まぁ見ればわかることだけど。
日向の短冊に目を向けた。
その瞬間俺は目を見開いた。
「…っ!日向のばか…」
ホントばかじゃないの…っ!
絶対狙ったでしょっ…。
俺は日向の狙い通りに、日向に電話をかけた。
思い通りになるのはムカつくけど、あんなの見て平然としてられるわけがない。
慣れた手つきで日向の携帯番号を押し、耳にあてる。
プルルル…
『もしもし?』
『…俺も、日向と同じ…っ』
『なっ!…不意打ちズリィ!』
『日向のが不意打ちじゃん!あんなの見たら…』
『あんなのとか言うなよ!』
『だって不意打ちすぎだし!日向のメガネ!』
『メガネ関係ねぇだろ!ってオイ、外みてみ』
『…外?………ぁ』
『すごくね?天の川めちゃくちゃ見えるぜ?』
『うん…すご…』
『なぁ伊月、俺ら地球にいて良かったよな』
『何いきなり…。なんで?』
『だって織り姫と彦星って年に一回しか会えないんだぜ?そんなの俺堪えらんねぇし』
『なっ…!……俺も』
『俺も、なんだよ?』
『ぅ…日向のばか…』
『聞こえねぇ』
『……俺も!日向と毎日一緒にいたい…っ!』
『一緒一生ってか?』
『…悪い?』
『幸せにしてやるよ』
『…ありがと』
そんなわけで。
日向の短冊は見れたけど、俺は恥ずかしい台詞を言わされた。
しかもプロポーズとか…。
来年は絶対に短冊みないことにする!
(見たら絶対会いたくなるし、電話もしたくなるから)