黒バス


□こんぺいとう
1ページ/2ページ





今日は7月7日ラッキー7の日。
…それだけじゃないけどね。





「ねー、日向ー」


「んぁ?なんだ?」


「今日何の日か知ってる?」


「今日?あー…七夕だろ」


「せいかーい」




そう、今日は七夕。


ってそんなのは多分大抵の人が知ってると思うけど。



今日俺は張り切ってる。



なんでかって?






日向の短冊が見たいからだ!






…去年の日向は酷かった。

俺の短冊を見て(勝手に)可愛いとか言って笑いやがった(俺の願いは¨日向達とずっとバスケ出来ますように¨だった)

別にただバスケずっとしてたいって願いじゃん!


…まぁ、日向とも。さ…。


じゃなくて!



去年結局日向のは見れなかった(そもそも書いたのかも知らない)


だから今年は、

日向のを見たいんだっ!





「七夕と言ったら?」


「願い事、か?」



よしよし。
俺の誘導尋問にかかってくれた。



「てゆーことで、はいコレ」


「なんだコレ…短冊?」


「願い事書いていーよ」


「おう、サンキュー」



日向がさらさらと書きはじめた。


やった…!
計画の半分成功。



「終わったぞ。笹とかねぇかな」


よし…っ。


「俺ん家母さんが笹飾ったからさ、ついでに飾ってあげるよ」

「お、悪ぃな」



そうやって日向は俺に短冊を渡す。

願い事を見られないためか、裏側を表にして。


どーせ渡したら見られるのに。


でも俺はすぐに見ない。

だって見たら取られるだろーし。



いつ返せって言われるかもわからない。

だから俺は今すぐ帰って家で日向の短冊を見てやる!

そして明日笑うんだ!



「それじゃ、俺帰るから!」


「ん?あぁ、またな」



またな?

普通バイバイとかじゃない?
まぁ日向はよく、またなって言うし。

気にしないでいーや。



そうして俺は急いで家に帰った。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ただいまー。…はっ!居間に今いますか!きたコレ!」


「お帰りー。…あ、蛙がひっくり返る!きちゃったコレ!」


「流石母さんだね」


「あらあら、俊も冴えてたわよ」


「ありがと、じゃ俺部屋行くから」




母さんのダジャレも聞けたし、俺にもダジャレの神様がおりて来たしで満足して部屋に向かった。


部屋について日向の短冊を取り出す。



…日向、なんて書いたんだろ。
メガネがほしいとか?
コンタクトにしたいとか?
普通にバスケしてたいとか、
全国出場とか?




まぁ見ればわかることだけど。


日向の短冊に目を向けた。

その瞬間俺は目を見開いた。


「…っ!日向のばか…」



ホントばかじゃないの…っ!

絶対狙ったでしょっ…。



俺は日向の狙い通りに、日向に電話をかけた。

思い通りになるのはムカつくけど、あんなの見て平然としてられるわけがない。



慣れた手つきで日向の携帯番号を押し、耳にあてる。

プルルル…



『もしもし?』


『…俺も、日向と同じ…っ』


『なっ!…不意打ちズリィ!』

『日向のが不意打ちじゃん!あんなの見たら…』


『あんなのとか言うなよ!』


『だって不意打ちすぎだし!日向のメガネ!』


『メガネ関係ねぇだろ!ってオイ、外みてみ』


『…外?………ぁ』


『すごくね?天の川めちゃくちゃ見えるぜ?』


『うん…すご…』


『なぁ伊月、俺ら地球にいて良かったよな』


『何いきなり…。なんで?』


『だって織り姫と彦星って年に一回しか会えないんだぜ?そんなの俺堪えらんねぇし』


『なっ…!……俺も』


『俺も、なんだよ?』


『ぅ…日向のばか…』


『聞こえねぇ』


『……俺も!日向と毎日一緒にいたい…っ!』


『一緒一生ってか?』


『…悪い?』


『幸せにしてやるよ』


『…ありがと』










そんなわけで。
日向の短冊は見れたけど、俺は恥ずかしい台詞を言わされた。
しかもプロポーズとか…。


来年は絶対に短冊みないことにする!



(見たら絶対会いたくなるし、電話もしたくなるから)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ