黒バス


□アップルパイ
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「日向ぁ…っ!」




屋上で俺は思い人の名前を呟き、涙を零していた。



理由なんて簡単。


その思い人がクラスの女子と楽しそうに話してたから。



ここまで言えば分かる通り、その思い人は男。

つまり同性。


しかも同じバスケ部で中学からの友達。いや、もう親友?



その人…、日向のことを俺は現在進行形で好きでいる。


俺も日向も男だし、告白なんて出来ない。

だってフラれたらさ、

友達ですらなくなるかもだろ?


そしたら近くにいることが出来なくなっちゃうじゃん。

…女々しいなって自分でも思うけどさ。




「日向…」



なんで俺は男なんだろう。


それだけが、さっきから頭の中を巡っていた。

きっとそれは、さっき日向が女子と仲良くしてるのを見たからだろう。



…見たくなかったな。







もし。


今俺が日向に「好き」って伝えたら、日向はなんて答えるだろう。

きっと優しい日向だから、

「ありがとう」って言って
「ゴメン」って続けるんだろうな。



あー。ダメだ。。

何告白したらどうなるんだろうとか考えてんだろ。


告白なんてするわけないのに。




「…なさけなっ……」



なんで俺泣いちゃってるんだろう。


フラれるのが怖い自分に対して?
情けないよな…ぁ……。



ゴメン日向。
好きになって。



でも今更嫌いにとかなれないから。


しばらく好きでいさせて下さい。



(ゴメン日向)
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