黒バス
□ババロア
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『死者数は90人を超えると…』
日向ん家でテレビを見てたら、いきなり流れたニュース。
それはノルウェーとか言う小さな島国で起こった虐殺事件のことで。
逃げ惑う人達や銃を使う犯人とかの映像が流れていた。
冷淡にたくさんの人を容赦なく殺していく犯人。
それを見た俺はぞくっとした。
「ねぇ日向」
「なんだ?」
近くにいた日向に話しかける。
「ノルウェーの人達には悪いけどさ…俺、日本に居て良かったよ」
「ん?あー、死なずにすんだしな」
「そうじゃなくて…」
確かに。
死なずにすんだのは良いことだと思う。
けど、俺が今言いたいのはそれじゃなくて。
言葉を続けずにいると、日向が「じゃあなんだよ?」って聞いてきた。
一瞬、答えようとしたけど普通に答えてもつまらない。
「教えない」
だから俺は答えなかった。
そんな俺に日向はちょっと怒ってたけど、教える気はない。
だってさ。
「大切な人を失わなくて良かった」なんて、恥ずかしい台詞絶対日向にだけは言いたくなかったしね。
それにその「大切な人」が日向だなんて、絶対に教えない!
(ホント、日向がいなくならなくて良かったな…)
(日向がいなくなったら俺、どうなるんだろ)