黒バス
□マドレーヌ
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―そしてその二日後の朝。いきなり日向に呼びだされた―
―そして、俺はフラれたんだ―
「伊月…!悪ィ、いきなり呼び出して…」
「全然大丈夫。話しってなに?」
「…よく考えたんだけど、
別れよう
」
「え?」
いきなりだった。
告白したのは二日前。
付き合ったのも二日前。
…いくらなんでも、早いよ。
ダメだ。涙、でそう…。
でも、フラれたら「笑って冗談」って決めてたから。
笑わなきゃ。
ここで泣いたら、日向が困る。
日向は優しいから、
きっと、部活や俺のことを思って、あの時は断れなかったんでしょ?
わかってる…
日向は俺を友達としか見れないことぐらい…っ!
「大丈夫だって!ってかさ、もともと冗談だったしさ?逆にあの時オッケーされて驚いたもん!」
それじゃ、1時間目始まるからいくね。
思ってもないことを言葉に並べて、逃げた。
笑ってられたかな…っ
俺は授業なんか出ないで、一人屋上に向かった。
「っ…!フラれ、ちゃったなぁ…」
言葉に出した途端に涙がこぼれた。
好き、だったんだよなぁ…。
これでも、本当に好きだったからさ…。変に未練残っちゃうかも…。
ダメだ…!
忘れなきゃ…!
冗談だったと思わな、きゃ…!
うん…。
頑張ろう。
全部、忘れなきゃ…。
′
「っ…!」
俺は小さく声をあげ、
涙をこぼした。
―大丈夫。明日は笑えるって思いながら―