オリジナル 夢変換有(の予定)
□PURE LOVE
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「ほら、あの人が翔太君よ。鏡花みえる?」
私は、法子の背中の後ろから、覗き込むように彼女の指すほうを見た。
「うーん・・・」
「ほら、今シュートした人よ!」
法子が言ったと同時に、会場内が黄色い歓声で湧き上がった。
県営体育館は夏季のバスケットボール県大会が行われている。
私達の如月高校も出場しているのだが、それより、法子に呼び出されたのは応援なんかではなかった。
「あの、翔太君、鏡花のこと気に入ってるらしいよ。」
「まさか!」
「あ、でもそっか。鏡花はあっちの佐崎君だもんね。」
「ち・・・違うよ!佐崎君はただの憧れで…。」
「もう、そんなんだから鏡花はかわいいのに彼氏ができないのよ。」
まだ鳴り止まない歓声の中、私は戸惑った。
実は、もう高校二年生になるというのに、私は一度も付き合ったことが無い。
「絶対からかわれてるだけだよ〜!あんな人気ある人・・・。」
「ああ、確かにすごい人気だよね、翔太君は。。。」
法子は辺りをじっくりと見渡した。