サブウェイマスター 学パロ

□隣の席のあなた
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春。

イッシュの高校に入学して、
一週間が経ちました。

高校生活にも慣れてきた頃です。
でも、
隣の席に座る彼女が気になって仕方がありません。

隣の席の女の子は、窓側の席。
たまに見る空は青く澄んでいる。

その子は、授業中も窓の外を見ている。

たまに、あ、という顔をして、
微笑む。
なにに微笑んでいるのかは、全然わからないけれど。


でも気になって仕方がないので、
ちょっと聞いてみることにしました。


「あの、なぎささん?」


授業中なので、かなり小さい声で、
彼女を呼んだ。


「あ、はい?」


こちらを見て、きょとんとするなぎささんは、
なぁに?と私に尋ねた。


「外、に、何かあるのですか?」

「あ、え?」

「ほら、外…」

「あぁ。そこにね、燕の巣があるの」

「燕の巣?ですか?」


窓の外のすぐそばにある木を指さす彼女は、
嬉しそうに微笑んだ。


「ヒナがいるの。
 親鳥が来て、えさを与えて、飛んでいく。
 その様子が凄く微笑ましくてね」


だから窓の外にくぎづけだったのか。
納得。


「ノボリくんも見てみる?」

「え?」

「だから、ノボリくんも、見てみる?」


…え。


「あ、いえ、あの、遠慮しときます」

「そう? 見たくなったら言ってね」


最後にふわり、と花が開くように笑って、
また窓の外に目線を移した。

私はというと、
真面目に黒板に向かって、勉強をしている。
…ふりをしました。


「……」


まさか、名前を呼ばれると思わなかったのです。

まだたった一週間。

自己紹介なんて、HRでやった短いものくらいだ。


それで、彼女は覚えたのだろうか。


…それが、嬉しい、だなんて。

赤面する顔を彼女に隠すように、
左手を頬にあてて、
肘をついて黒板に集中しているふりをしました。



これが、私とあなたのファーストコンタクト。




END



終わった―(^o^)
ノボリさんが終わったから、
次はクダリさん書くよ!!


では、
読んでくださりありがとうございましたー!!

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