サブウェイマスター 学パロ

□イライラ解消法
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今日は調理実習だったようで、
なんだか、学校中が甘い匂い。

何のにおいだろう?

すんっと鼻を効かせてみるけれど、
どこでも嗅いだ事のある、甘い香りが、
鼻を擽る。


んー。
今日の調理実習は、
ノボリのクラスだよね。

何作ったのか聞いてみようかな。

そう思った僕は、教室から出て、
隣のクラスに行った。


「ノーボリ―」


ひょこっとノボリのクラスを覗くと、
男女問わず、こちらを見てざわめいた。

僕らは瓜二つ。
そっくりな双子なんてめったに居なくて、
だから、楽しげに好機の目を僕らに向けては、
こそこそと話をする。


…五月蠅いなぁ。


思わずしかめっ面をしていると、
視界になぎさちゃんが入った。

彼女は透明の袋を持って、
こちらを心配そうに見ていた。


どうして?
そんな目してるの?


あの子も一緒?
違う? どっち?


「…ノボリ、いる?」


近くにいた女生徒に、ノボリの事を聞いてみる。
ノボリは職員室に呼びだされてるみたいで、
今はいないらしい。

それならいいやと思って、ノボリのクラスから出た。



君の心配そうな目は、終始、だった。



お昼休みだから、結構長い。
どこに行こうかなぁ。学食は嫌だし。

職員室に、ノボリを迎えに行こうかな?



「くーだり君!」

「え?」



名前を呼ばれて振り返ると、
なぎさちゃんがいた。


どうして?


何か用?と笑うと、
はいどうぞ!って、透明な袋を差し出した。



「え?」

「今日、調理実習でクッキー作ったの。
 私、今ダイエット中だから、
 よかったら食べてほしいなって思って」

「…いいの?」


そう尋ねると、
にっこり笑って、何度も頷く。


「あ、でもクダリくんにあげたら、
 ノボリくんにもあげた方が良いかな…」

「どうして?」

「取り合いにならない?
 兄弟のいる所って、取り合いになるって、
 友達に聞いたから」


昔はとりあいをしていたけれど、
今は一応は大人に近づいているわけだし、
そういう所は、どっちかが一歩退く。


「大丈夫だよ。ありがとうね」

「不味かったらごめんね?」


悪戯っぽく笑う。
僕は手の中のクッキーを見て、
大丈夫だよ、と笑った。


「なぎさちゃんが作ったものなら、
 なんでも美味しいよ」


そう言うと、君はきょとんとした顔になって、
照れたように後頭部を掻いた。


「ありがとう!
 じゃあ、次、数学だから戻るね!」

「移動?」

「ううん、宿題やってないの」


あっちゃーって自分の頭を小突いて、
ばいばいと言って、教室に入って行った。





たったそれだけの出来事。
それなのに、さっきまでのイライラ。
全部なくなったの。


「…ありがとう」


見えなくなった君に呟いて、
僕も教室に入って行った。





END



クッキー。
食べたい気がしなくもない。
でっかいプリン食べたい。
ぷっちんプリン!

それか、苺のアイス。
金平糖でもオーケーww
あ、金平糖ならあるや。

ではでは、
読んでくださったかた、
ありがとうございました!!

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