サブウェイマスター

□第4章 助けて
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「えー、なぎさ、
 今日はバトルサブウェイに来ないのー?」


ムスッとした顔で、
朝食のトーストをかじった。


「はい。
 今日は家から必要なものを
 取ってこようかと思いまして」


私はヨーグルトを食べながら、
そう言った。


「って、僕に敬語は禁止!
 普通に喋ってよ」


ピシッと指を伸ばして、にぃっと笑う。
…指が綺麗に伸びていて、
純粋にすごいと思った。


「じゃあ、クダリさん、
 今日は許してね?」

「【さん】も禁止」

「…呼び捨ては難しいよ」


年上なんだから。
一応。


「じゃあ、適当にあだ名でもいいから」

「…クー君?」

「いいよ!!
 そんな呼び名、初めてだ!!」


嬉しそうに顔をほころばせて、
目を細めて笑った。

年上なのになぁって思う反面、
可愛いって思う私がいる。


「じゃ、クー君、
 今日は許してね?」

「うんうん!! いいよ!!」

「クダリとなぎさ様は、
 朝から楽しげですね」


既に朝食を終えて、
サブウェイマスターの制服に着替えている、
ノボリさんがネクタイを締めながら、
リビングに入ってきた。

髪はオールバック。
ワックスで綺麗にまとめたみたい。


「ノボリ、聞いて聞いて!!
 なぎさに、あだ名をつけて貰ったの!」

「…、へぇ?
 一体どんなあだ名ですか?」

「なぎさ、呼んでみてよ!!」


えぇ!? 呼ぶの!?
ちょっと恥ずかしい気がするのは、
私だけですか!?


「…く、クー君?」

「うん!!
 これだよ!! いいでしょう!?」

「…ええ、いいですね。
 良いと思いますよ」


……!!!!!!!????

満面の笑み!?
初めて見たんですけど!?
ちょ、初めて見て、嬉しいはずなのに、
なにこの悪寒!?

怖い!?


「あ、ああぁあの!!
 私、もう出ますね!?」

「じゃあ、私も出ます」

「えぇ?
 僕を置いて行くの?」

「クダリは今日は、
 遅い出勤でしょう?」

「そうだけどぉ〜」

「では、なぎさ様、
 行きましょうか」


……。はーい。
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