サブウェイマスター

□おはよう!
1ページ/2ページ





疲れて帰った日。

もう眠たくて仕方がない日。

そんな日って絶対あると思う。
ってか、ある。

【思う】んじゃなくて、ある。絶対。


そんな日が、今日。


リビングのソファーの上でのうたた寝。


最初は座ってただけだったのに、
いつの間にか横になっていて、
ぐーすか眠っていたわけですよ。

夢の世界で、顔も見えない人と、
うふふあはは、って走り回ってたんですよ。

恥ずかしい夢だとは言うべからず。

そしたら、
誰かが走ってきて…―――――――




「なぎさ!! 風邪ひく!!
 起きて!!」


「うっはぃ!!?」


っていう、出来事。

死んでしまうと思った私。
耳元で叫ばれ、鼓膜が破れそうだ。


「………ぉ、おはよ、う?」

「うん、おはよう!
 でも、こんばんはかな?」

「こんばんは?」

「そ。
 もう夜だよ?」

「嘘!? 本当!?」


大変!
夕飯の用意してない!?


「大丈夫だよ。
 今、帰ってきたのは僕だけだから」

「あれ? じゃあノボリさんは?」

「ん?
 僕が溜めた雑務をやってるよ!!」


…わぉ。

ノボリさん、お疲れ様です。
それしか、言葉が出てきません。


「じゃあ、クー君、
 何か食べる?」

「んん〜??
 じゃあ、オムライス食べたい」

「オムライスかぁ…。
 卵あったかな?」


ふたりでキッチンへ向かう。

冷蔵庫を開けて、
材料の確認をする。


「ある?」

「はい!
 全部ありました―!
 無事、オムライス作れるよー!」

「やったぁー」


2人でばんざいする。

子供か。
幼い子供か。

っていうツッコミは、無しの方向で。


「ではでは、調理開始―」

「いぇー☆」



―――――――――――――



「はーい、完成―☆」

「いぇー♪」


…最後の星が、音符に変わりました。

調理中、ちゃんと、
クー君も手伝ってくれて、はかどった。


「お手伝いありがと」

「うん!
 だから、ご褒美頂戴!」

「ご褒美?」

「そ!」


ご褒美?
飴あげるとか?


「ちゅー!
 ほっぺに、ちゅー!」

「あ、納得!
 じゃあ、クー君しゃがんで?」

「うぁい!
 なぎさのちゅーだ!」


あぁもう、可愛いなぁ。

頬を綻ばせながら、
私はしゃがんでくれたクー君の頬に、
キスをした。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ