○●CP小説●○

□*with a smile*
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「なぁ…鏡夜はどう思う?」










俺の可愛い犬。





前の座席に、
向かい合わせになるよう座って
話しかけてくる。










いつものように目を輝かせながら…
















with a smile
―――――――――――――――――















「聞いてるのかー?鏡夜ってばー」






むぅ…と口をとがらせて、
不満そうな顔に変わる環。





…さっきの嬉しそうな顔はどこへいったんだ。








「あぁ、悪いな。聞いてるよ」





眼鏡を軽く上げながらそう答えてみせる。




なんとも素っ気ない態度だ。





だが…








「ならいいんだっ!!」





環はまた嬉しそうに笑う。




こんな愛想もない俺に…




こいつはいつも笑顔を向けてくる。









それは…





なによりも綺麗で





なによりも優しく





少しだけ胸を締めつける…














「なぁ、環…」



「ん…なんだ?鏡夜」







しばらくの沈黙が続き、
俺はくだらん質問を吐いた。









「お前は…俺から愛想がほしくないか?」





「…へ?」







「……」










「鏡夜が愛想振りまいてきたら怖いぞ…」






大真面目な顔を寄せて、
環はそう言った。











「それに、俺と鏡夜の仲だ。
黙ってても愛情は感じるぞv」







「……」






ニッコリ、奴が微笑む。












「…気色悪い勘違いだな」





「んなっ…!!」










きっと…











環が笑う時…











俺も微かに笑っているのだろう…














今こんなにも…












こいつが嬉しそうに笑っているのだから…










――END――








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