○●夢●○

□お嫁さん。
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『泉って良いお嫁さんになれそうだよねー』


「……」




(あ、無視ですかコノヤロー)





『ほら、浜田くんとかのお嫁さんに』


「ケンカうってんのか」


『だってなんかさー…ッイタ!』


「!」




集中せずに作業をしていた罰だろうか。

指に針がチクリと刺さった。





「…見せて」


『…え。大した事ないって』


そう言ったが彼は強引に私の手を引いた。





「…お前ほんと下手くそだな」


『うっさい、萌え顔ー』


「は?なにそれ」


『な、なんでもありません』


「…ま、これくらいなら大丈夫だろ」



ようやく解放された私の左手は、ほんのり泉の温もりを覚えていた。






(…なんか男の子に心配されるのってイイね)







カタカタカタ…カタカタカタ…







(そうそう…心の中がカタカタカタって…)







『えぇぇ?!!』


「今度はなんだよ」





なんだよって…





『もうミシン縫い!?』


「周りを見ろ」


そう言われて辺りを見渡すと、ほとんどの生徒がミシン縫いの作業に入っていた。





『うそー?!…こうなったら最終手段しか…』


「……最終手段?」


『ボンドでごまかす!!』


「バカかお前は」


『じゃあ待ち針作業省いて今から強引に縫う』


「……」





あ、今明らかに泉のため息が聞こえた。



(ちくしょー、こっちも必死なんだよ)






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