小説

□それはとても
1ページ/1ページ




「いって・・・。」



「我慢やで。後でええ医者紹介するわ。」



「おー、サンキューな。」


俺としたことがやっちまった。

練習中に足くじくなんて、俺にとってはかなりの致命傷だよ。

あー、当分跳べねえじゃん。



「足首のテーピングはこれでええやろ。他には怪我せえへんかったか?」



「ん、多分。」



「多分やないで、ホンマ。・・・よう見せてみい。」



「うぇ?ちょ、侑士!」



スルスルと侑士の無骨な手が、ユニホームの中に忍び込んで来た。



抵抗するにも、くじいた足をガッチリ押さえられていたらもうどうしようもない。

カチャリと眼鏡を外して、侑士はさらに近づいて来た。



「なぁ、岳人。俺が岳人を好き言うたらどないする?」



「っつ、は?」



なんの冗談だよ。

こいつ恋愛小説だけでなく同性愛小説も読み始めたのか?

でも・・・・・・、



「っはは。」


めっちゃぞくぞくする。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ