小説
□それはとても
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「いって・・・。」
「我慢やで。後でええ医者紹介するわ。」
「おー、サンキューな。」
俺としたことがやっちまった。
練習中に足くじくなんて、俺にとってはかなりの致命傷だよ。
あー、当分跳べねえじゃん。
「足首のテーピングはこれでええやろ。他には怪我せえへんかったか?」
「ん、多分。」
「多分やないで、ホンマ。・・・よう見せてみい。」
「うぇ?ちょ、侑士!」
スルスルと侑士の無骨な手が、ユニホームの中に忍び込んで来た。
抵抗するにも、くじいた足をガッチリ押さえられていたらもうどうしようもない。
カチャリと眼鏡を外して、侑士はさらに近づいて来た。
「なぁ、岳人。俺が岳人を好き言うたらどないする?」
「っつ、は?」
なんの冗談だよ。
こいつ恋愛小説だけでなく同性愛小説も読み始めたのか?
でも・・・・・・、
「っはは。」
めっちゃぞくぞくする。