小説

□君に触れる
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「丸井。」



セックスの時くらい名前で呼んでくれてもいいじゃないか。って、俺がくだらないヤキモチを妬くくらい、仁王は名前を呼んでくれない。
まあ、そんな俺も「仁王」って苗字止まりだけど。



「ん、ここやばい、て」



「見つかったら。か?そん時はそん時じゃ。」



また深いところまで舌を入れてくる。
苦しいけどこいつはいつも容赦しない。



「は、まる、い」



キスしながらするするとワイシャツを脱がす。

仁王の手はいつも突拍子もない場所を探ってくるから気持ち悪い。



「ぅ、ちょ、早い」



「もう勃っとる。丸井はほんま感じやすいのう。」











"色んな意味で、ぐちゃぐちゃにしてやりたいわ"











そう呟いた仁王の目が笑っていなくて、俺は死んだなって思った。



「――雅治。」



名前を呼べば、君が嬉しそうに笑うから、

俺は君にもっと乱されたいって思ってしまうよ。






おわり

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