小説
□僕は、君は
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「・・・だからお前は何が言いたいんだ」
「だから、俺はあんまり他の奴らと仲良くすんなって言ってんの」
「理由は?」
「俺がやだから」
「お前は子供か」
あーもう真田なんか嫌いだ。いや、好きだけど。
俺がヤキモチやいてんのがわかんねーのかよ。
お前みたいなかっこいい奴誰かに取られたらどうすんだよ、バカ。
「とにかく、ダメ」
「俺の方がダメだ」
・・・分からず屋め。
「じゃあさ、もう真田は俺のだって言う印つけるからいいよ。」
「印?」
「うん。」
「ちょ、まる・・・!」
「うるはい、ん」
ネクタイをスルッと抜いて、首もとを広げる。
いかにも無骨そうな首の周辺に舌を這わせた。
「まる、い。何して・・・」
チュッ
と言う綺麗なリップ音を立てて、口を離した。
「お守り。」
未だ何が起こったかわからないでいる真田だが、そのはだけた首もとには小さな赤。
キスマークなんて、お前は知らないよな。
と、小さく笑った。