小説
□180度と砂糖
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時は2月。
世間はバレンタインという、なんともむず痒い季節のこと。
「・・・へへ」
「・・・ブンちゃん、気持ち悪いぜよ。」
「おー仁王、はよ!てかてか、みろよコレ!」
そういってブンちゃんの腕の中には抱えきれないほどのチョコがあった。
ちなみに自慢じゃないが俺の下駄箱にもはみ出すくらい入っていたが。
「それ、今日中に食うん?」
「もちろんだろ。」
「・・・見ただけで腹が壊れそうじゃ。」
甘いものが苦手だから、後で自分のチョコもブンちゃんにやろうと思ったが・・・ブンちゃんの身体の為にやめておくことにした。
―――放課後
「ちーす・・・って、う・・・わ」
部室に行くと、皆のチョコが案の定山積みだった。
「ん、ブンちゃん?」
その中に一人、人が埋まっていた。
多分満腹で寝ている恒例のパターンだろう。
「おーい、ブンちゃん。部活始まるぜよ。」
「う・・・んー」
「部活ぜよ。」
「に、お・・・?」
「うん」
「こっち」
「ん?ちょ・・・!」
ぐいっと腕を引っ張られて、引きずり込まれた。
「ちょ、何、ん」
口の中いっぱいにチョコの甘さが広がる。
「んん、ブン、ちゃ・・・キス・・・っ」
「ん、だめ?もっとお・・・」
こ、これは・・・
「ブンちゃん、酔っとるな?」
「んぅ、におー。キスしようよー。」
「ふーん。だから今日はいつもより積極的な訳じゃ。ふ、」
なら、要望にお応えして
「んあ、に、ぉ!そっちはだめ・・・ひ、」
「誘ったんはお前じゃろ。俺もう勃ってしもうてだめナリ。」
ずりずりとズボンを下げていくと、ブンちゃんのも勃っていて、素直だなあ、と、ついにやけてしまった。
「期待してたくせに」
と、耳元で囁くとまた反応するから、そのまま期待通りのことをしてあげることにした。