┗稲妻、ガッシュ

□すれ違う二人
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美空・星野、生まれて初めて人を好きになりました。

『という訳で協力して!!』

「悪い。俺にはどういう訳かサッパリ分からない。」

そう、私は世間一般的にいう初恋をしてしまったのだ。

相手はクラスの学級委員長様、ルイ君。

ルイ君は、学級委員長というよりは誰にでも好かれるような好青年で、
お堅いイメージがなく、話しやすいルイ君に私は文字通り虜になってしまったのだ。

『だからね、私ルイ君ともっと仲良くなりたいんだ!!』

「イヤ、俺に言ってどうすんだよ、本人に言えよ。」

『えー、だってアルベールはルイ君と仲が良いからさ、ね、お願い!!』

「知らねぇよ、自分で何とかしろ。」

『ケチ。』

目の前で本を読んでるアルベールを軽く睨みつける。

が、アルベールは私をチラリと見たあと、また本へと視線を戻した。

中々協力してくれないアルベールに嫌気がさし、
アルベールの視線を独り占めしているその本を奪った。

アルベールはその予測していなかった行動に大きい目を更に大きくした後、
また棚から違う本を取り出し、何事も無かったように本を読み始めた。

どうやら他人の恋愛に全く興味が無いらしい。

だからって、わざわざ休日に家に来て、
恥ずかしいけど自分の想いを人に伝えて、
協力してくれと頼んでいるのだ。

少しぐらい協力しても良いんじゃないかと思う。

そしてその思いは、だんだん怒りへと変わってくる。

『もう知らない!!自分で頑張るもん!!』

「あーそーかよ。ご勝手にどうぞ!!」

『アルベールなんか大っっっ嫌い!!』

「……………っ、」

私はアルベールの家のドアを壊れるぐらいの力で思いっきり閉じた。

………後ろでアルベールがどんな表情をしているかも知らずに。


すれう二人



((いきなり好きな奴が出来たって…))

((俺の気持ちも知らないクセに))
    

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