┗稲妻、ガッシュ

□気持ち、前進
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『―――――え?』

私の喉から、やっと出た言葉はそれだった。

…何でだろう。

私、私あんなにルイ君のことが好きで、仲良くなりたい、って思ってて…。

なのに、なんか、全然、嬉しくないよ…。

『…ごめんなさい…。』

もし、もしも1週間前の今、ルイ君が私に好きだと言ってくれたなら。

きっと私は、喜んで肯定の言葉を口にしたんだろう。

けれど、私の口が言ったのは否定の言葉だった。

「…そっか…。
でも、何となく分かってたよ。こうなるって。」

『え?』

「俺、星野さんのこと、ずっと見てたんだ。
星野さん、何時もアルベールと一緒に居て、凄く楽しそうだった。
きっとアルベールのことが好きなんだろうな、って…。
――――――――星野、さん。」

『…はい…。』

「これからも、仲良くしてね。」

そう言うとルイ君は、静かに教室を出ていった。

音も、何もなく。

『…私、アルベールのこと、好きなのかな。』

…そっか、私、馬鹿なんだったっけ…。

でも、馬鹿だけど馬鹿なりに考えて、

――――ううん、馬鹿だからこそ、深く考えないで、直感で良いのかも。

嫌いじゃない、アルベールのこと。

だから………

『好き、なのかな。』


持ち、前進



((単純なことだった))

((なんで今まで、気付かなかったんだろうね?))
      

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