┗稲妻、ガッシュ

□届いた想い
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――――……

アルベールのことが好きと気づいてから、もうどれくらい経った?

朝が来て、夜が来て、また朝が来て、夜が来て…ずっと続くこの日常。

けれど実際は、カレンダーを捲ることも無いくらいの時間なのだろう。

それを長いと感じるのは、やはりアルベールに対する想いからなのかな…。

『…ねぇ、アルベール。』

私はアルベールが座っていた座席の机をそっとなぞり、目を瞑る。

――――――――――もし、貴方に会えるのなら、たった一言、伝えたい。

ずっと待ってたとか、何処に行ってたの、なんてそんなことはどうでもいい。


貴方が好き。


この気持ちだけ届けば、私は何も望まない。

だからお願い、私の目の前に、姿をみせて…?



「……美空…。」

『――――――――――――――え?』


な、んで…

私の瞳に映ったのは、今までずっと見てきた親友の姿。

そして、同時に、私の…

『好きな、人…。』

「え?」

『変わって、ルイ君じゃなくて、それ、は、あ、アルベールで、えっと………………うわぁぁぁん!!』

「ちょ、おい、どうしたんだよ!?」

私は思わずアルベールに抱きつく。

ゼロになる、私とアルベールの距離。

なんだか落ち着くな…。

そう思うと、目から溢れる涙は更に量が増した。

「………今まで、ごめんな。あと、俺、ずっと美空のこと…。」

『――――――うん。』


2人の頭の影がくっつくのは、少し後のお話……。


届いた



((初めての恋は))

((甘くて、苦い、沢山の味がした))
    
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