┗稲妻、ガッシュ

□恋愛宣言
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今日の私の耳は調子が悪いようだ。

おっかしいな…聴力検査では問題無かったのに…。

やっぱり校庭にいるから、他の人の声が入ってくるのかな?

『ごめんね南雲君。もう1回言ってくれるかな…?』

「はぁ?ちゃんと聞いとけっての…。
アンタのことが好きだって言ってんだよ。」

――――――― 流石に2回聞き間違えることはないよね、うん。

…ということは、私は南雲君に乙女の憧れ(?)の告白をされた、ということになる。

…………告白?

『えぇえ!!私!?』

「だからアンタだって言ってんだろ!?
ホント何なんだよアンタ…。」

『ご、ごめんなさい、なんか、実感無くて…。』

だって南雲君といったら、クラスで、いや学年で1番カッコイイといっても過言ではないのだ。

その南雲君が、こんな平凡を形にしたような私を好きだと言ってくれているのだ。

夢なのかも、と思ってしまっても仕方ない。

「んで?」

『え?』

「返事だよ返事!!」

『あ、っと…――――――――ごめんなさい!!』

「―――――は?」

確かに、南雲君は素敵な人だと思う。

私には勿体無い程に。

……でも……。

『わ、私は、ちゃんと好きになった人と付き合いたいな、って…。』

そう言うと、南雲君は暫く驚いた顔をしていた。

が、その後真顔でじっと私を見つめた。

あ、あれ、怒っちゃったかな…?

「へぇ…おもしろいじゃん。」

『…え?』

突然、グイッと手を引っ張られる。

かと思うと、私の体はすでに南雲君の腕の中に。

途端に私の頬は桃色に染まった。

そんな私を見て南雲君はニヤリと笑うと、私の顔をグイッと上にあげた。

強制的に交わる、私と南雲君の目線。

「ちゃんと好きな人、なら良いんだよな?
…俺に、惚れさせてやるよ。覚悟しとけ。」


宣言



((それは甘く切ない))

((恋の始まりでした))
       

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