┗稲妻、ガッシュ

□一夕幸福
1ページ/1ページ


『ハァ…。』

ため息ついたら幸せが逃げてく。

どっかの誰かさんが言っていた言葉。

そりゃ、逃げられたら困るけど…。

生憎今の私にため息は必要不可欠である。

何故かといえば…

「よぉ、何朝からため息ついてんだよ。」

『!!』

噂をすれば、とはこの事だろうか。

…あれ?ちょっと違う?

『南雲君…朝から元気だね…。』

私を困らせる原因、それは昨日私に好きだと告げた、この彼、南雲君である。

………でも、分からない。

なんで、なんで、私なんだろう、って。

私以上に可愛くて好条件の女の子は沢山いる。

それに、南雲君は女子からの人気も高い。

女の子に不自由することなんて、無いはずなのに…。

「…俺に、惚れさせてやるよ。覚悟しとけ。」

『…っ!!』

「ん?どーした?お顔が真っ赤っかですけど?」

思わず顔が赤くなる私と、余裕そうに口角を上げてニヤリと笑っている南雲君。

登校してくる生徒から見れば、私達は間違いなく変な奴らだろう。

『な、何でもないよ!!うん、そう。何でもないの!!』

「…………ふーん。」

『あ、あの、南雲君…。
どうして、私、なのかな…。』

「…なんで、俺がアンタを好きかってコトか?」

『う、うん。』

「それは、な――――――――――………

その瞬間、何が起きたのか分からなかった。

ただ分かったのは、頬に残る柔らかな感触。

…つ、まり…!?

『な、何するの南雲君!!』

「ははっ、まぁ、そのうち教えてやるよ。
――――――そのうち、な…。」


一夕幸



((あ、今日から毎日登下校一緒な))

((ええっ!?))
      

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ