長編
□アップル不足事態発生
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シオンがアドリビトムのメンバーとなった次の日、アンジュとコーダが深刻そうに話し合っていた。
「アンジュ…、どーしたの?」
「あ、シオン。それが…アップルの仕入先が魔物に襲われて当分来れないらしいの」
「?…たいへん、なの?」
「たいへんどころじゃないんだな、しかし!アップルは人気だからすぐに無くなってしまうんだな、しかし」
コーダが手をバタバタと振り、アンジュも眉を下げる。
シオンは"たいへん…。"と呟いてアンジュの服を掴んだ。
「アンジュ、アップル、どこ?」
「え?もしかして……採ってきてくれるの?」
「アンジュとコーダ、たいへん。手伝う」
拙い言葉を紡いで、船から降りようとするシオン。
アンジュは慌ててシオンを止めた。
頭に疑問符を浮かべるシオンに苦笑しながら、咳払いをしてアンジュはリーダーモードに入った。
「それじゃあシオン、あなたがメンバーになって初めてのクエストよ。」
「…うん、」
「仲間と一緒に、アップルを20個納品しなさい」
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