紅の花舞
□四、 空が露草色に染まる頃
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『よーし!今日こそ新八っつぁんから一本とってやるからな!』
『お?言ったな平助!今日は容赦しねぇぞ!』
『結果は見えなくもないが…ま、頑張れよ、平助。』
『じゃ、一くんは僕とやろうか。この間の決着つけようよ。』
『望むところだ。』
『おいお前ら、試合するのはいいが、怪我人出すんじゃねぇぞ!』
懐かしい皆との思い出。
今は誰もいない道場で、一人空舞桜を振る。
「えいっ!やあっ!」
しんとした闇の中に、刀が空気を切る音だけが聞こえる。
私はなぜここにいる?
私は何のために生きている?
私の剣。
私だけの…剣。
「奏樹ちゃん。」
突然聞こえた声に振り向くと、そこにはツネさんがいた。