紅の花舞

□七、 零れ落ちる雫を拭って
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ガラッ




突然部屋の障子が開かれる。




「ひゃはははは!」



「羅刹!?」



白髪で血に狂った瞳を持つそれは、入ってくるなり刀を抜き放った。




「うっ!」



その刃が、私の左腕を切り裂く。



二の腕からは、鮮血が溢れてくる。




「ひひ…血…血だ…。」



「くっ…」




じりじりと距離を詰められ、私の後には壁しかなくなってしまった。




「その血…よこせぇぇぇ!!」




羅刹が襲いかかってくる。




私はとっさに空舞桜を掴む。















一陣の、風が吹いた。







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