紅の花舞
□十四、空の青は穏やかに
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すっとふすまが開いて、近藤さんが顔を出した。
「――会津藩から伝令が届いた」
その一言で、部屋の空気が一変する。
「長州の襲撃に備え、我ら新選組も出陣するよう仰せだ」
わっと皆から歓声が上がった。
「ついにきたか!待ちかねたぜ!」
「残念だったな、平助。
怪我人はさすがに不参加だろ?」
「えー!?でも、折角の晴れ舞台じゃん!」
平助が助けを求める様に歳兄の方を見る。
「不参加にきまってんだろ。大人しく屯所の守備に就きやがれ」
当然のように一刀両断された。
「僕も、仕方ないから諦めますよ。
参加したいけど、本調子じゃないし」
ふう、と総兄はため息を吐き、そしてにやりと笑った。