紅の花舞

□十五、知らないままでいい
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この人は、伊東甲子太郎参謀。


新たに新選組に入隊した大幹部の人だ。


彼は平助とも親交のある、北辰一刀流剣術道場の先生とか言ってたかな。


まあ、僕にはそんな事どうでもいいけど。



初めて伊東さんを紹介された時も、僕を含め皆はあんまり良い顔をしなかった。


近藤さんを持ち上げてばかりで、気にくわない人だ。





屯所移転案に異を唱えた山南さんを見て、伊東さんは満面の笑みを浮かべるのだった。


「山南さんは相変わらず、大変に考えの深い方ですわねぇ」


感じ入ったような口調でうなずきながら、更に伊東さんは言葉を続けた。




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