紅の花舞
□十五、知らないままでいい
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「伊東参謀もお身体は大切になさって下さい。
聡明な伊東参謀を妬んでよからぬ事を考える者が出ないとも限りませんから」
「!」
笑顔でそう言う奏樹ちゃん。
皆驚きを隠せないようだ。
そんな中で一人、伊東さんは楽しげに笑っている。
「あら、そんな怖い方がいるの?」
「そうですね。
――たとえば私とか」
伊東さんの表情が凍りついた。
だって、彼女は単なる嫌味なんかじゃない、本気の瞳をしていたから。
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