紅の花舞
□十六、狂気の欠片
3ページ/15ページ
「こんなものに頼らないと、私の腕は治らないんですよ!」
山南さんは激高した。
「私は最早、用済みとなった人間です。
平隊士まで陰口を叩いているのは知っています」
「そんなことない!
私も、皆も山南さんが大好きだよ!
誰も用済みなんて思ってない!!」
だけど、私の言葉も山南さんには届かない。
「――剣客として死に、ただ生きた屍になれと言うのであれば」
山南さんは冷笑を浮かべた。
「人としても、死なせてください」
「!!!」
→
次へ
←
前へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ